コロナウイルス（COVID-19）の影響による中国の操業状況は、刻一刻と変わっており、毎週結果と見通しが変わっていきます。前回からのアップデートを記しておきます。

新型コロナウイルス（COVID-19）による当社のビジネス環境について | トリニティ

コロナウイルス（COVID-19）による中国の状況アップデート（2020.2.23） | トリニティ

前回に引き続き、当社取引先の開発会社および生産工場は操業開始の許可を得ることができましたが、それでも工員の帰省からの復帰が非常に遅いということもあったり、戻ってきてからも14日間の待機期間があったりすることで、稼働が開始したとしてもかなり限定的な生産状況でした。

製品を作り上げるということは、ひとつの工場が稼働するだけでは成り立たず、パッケージやマニュアル、付属品に至るまですべての要素がひとつでも抜けてしまうと完成品として仕上げることができなくなります。

たとえば、当社取引先の工場が生産開始してiPhoneケースの生産が再開し成果物が出てきたとしても、それを収納するブリスターと呼ばれる透明のトレイや、貼付け治具、マニュアル、パッケージ、梱包材などの要素がすべて揃わない限り出荷にこぎ着けることができません。

このような理由もあり、すでに予想していたことですが、2月における出荷はほとんどゼロになってしまい、当然売上も立たないという結果になりました。おそらく、当社が創立してから14年の間にまったく出荷ができないというのは初めてだったのではないかと思います。

当社は効率化を最大限にするために在庫をほとんど持たず、日本国内の在庫も置かずに身軽に運営してきたので、今回においてはそれが裏目に出たということになります。ただし、やはり何が売れて何が売れないかはなかなか見通せない現状の中で、在庫を大量に持つビジネスは成り立たないと思っているので、この点を大幅に方針転換するつもりはありません。

2月の売上がないということは3月のキャッシュインがないということで、零細企業としては非常に厳しいところではありますが、これまでの14年の積み重ねの中で自己資本比率が70%を超えているため、一気に傾くということはまったくありません。

それよりも、中国の会社の方が倒れてしまうことも懸念したため、当社からの金融支援も持ちかけて、安定して生産していけるようにサポートしていきたいと考えています。

さて、今後の見通しですが、明日（3/2）からほとんどの会社がかなりの高い稼働率に戻るのではないかと期待しています。サプライチェーンもかなり回復してきているようですし、おおよそ、今週と来週の稼働がどうなるかによって、今後の業績が大きく左右されてくるかと思います。また、完全に止まってしまっていたwearaの開発の方も再開できるのではないかと期待しています（ただし、こちらは既存製品を再生産するのとは異なるのでまだ来週の稼働を見てみないと分かりません）。

当初恐れていたような、長期に渡る生産活動の停止というのは、中国政府の驚くほどの施策（中身に関してはあまりここでは触れないようにします）で押さえ込みが効いてきているという状況からすると、あまり心配しすぎる必要がなくなってきたのかもしれません。

むしろ、日本の経済状況の方が心配になってきた今日この頃です。

当社で運営しているイタリアンレストラン「トリニータ」も直近ではキャンセルが増えてきたり、来客数も減ってきてしまっているようです。ただ、ポジティブに考えれば、お店に人が行かなくなっているのであれば、普段は予約も取れないようなお店に行けるかもしれません。悪いことばかりではなくて、良いこともあると考える方が間違いなく生きていくのにプラスになると思います。

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